2022.10.25

【2022年版】飛ばしすぎに要注意!国内ドローン空域規制の落とし穴

基礎知識 法規制
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2020年6月に航空法が改正され、空港付近での飛行の規制と総重量が200g以上のドローンについて、所有者登録が義務付けられることになりました。そこで、改めて航空法について見直しましょう。

航空法によるドローンの規制

まず航空法では、バッテリーを含めた機体の総重量が200g以上のドローンを対象として、飛行の規制がかけられています。つまり、現行の航空法では、バッテリーを含めた機体の総重量が200g未満であれば規制の対象にはなりません。以下に、最新の航空法によるドローンへの規制内容について記載を致します。            

飛行禁止空域について

航空法ではドローンの飛行禁止空域を定めており、次の3つの空域が、ドローンの飛行の規制対象となります。もしも当該空域でドローンを飛行させたい場合、飛行前に申請を行い、空港事務所長または地方航空局長の許可を得ることが必要になります。

1:空港等の周辺の上空空域

航空法では、制限表面と呼ばれる、進入表面、転移表面、水平表面などの制限空域が規定されています。専門用語のためイメージがしにくいですが、簡単に言うと、航空機が離着陸を行う際に障害物に接触しないために、空港周辺に設けられた制限空域です。空港周辺でドローンを飛行させる場合、一度下記、国土交通省のホームページを確認し、制限表面に接触しそうか確認する必要があります。

また該当しそうな場合、上記ホームページに当該空港管理者の担当課と連絡先が掲載されておりますので、ドローンを飛行させる場所の住所や座標、高度などの情報を提供して、事前に確認を取る必要があります。

ドローンの空域

2:150m以上の高さの空域

地表または水面から150m以上の高さの空域も、総重量が200g以上のドローンを飛行させることができません。この地表または水面から150m以上の高さという表現ですが、わかりやすく例えると、例えば、山の頂上からドローンを海に向かって飛ばす場合、海に向かうにつれて、地上とドローンとの距離がどんどんと離れていくために、気がつくと地表から150m以上の高さを飛行してしまい、航空法違反になっている可能性があります。

3:人口集中地区の上空

総務省統計局が、毎回5年ごとに実施している国勢調査の結果に基づき、人口集中地区の設定を行っています。この人口集中地区ですが、以下の国土地理院のサイトで確認をすることができます。赤く網掛けされている部分が人口集中地区となります。

ドローンの人口密集地域

ドローンを飛行させる場合のルールについて

次に、航空法で記載がなされているドローンの飛行ルールです。ドローンを飛行させる場合、次のルールに則って飛行をさせる必要があります。

  1. 日中に飛行させること ※日中は日出から日没までの間を指します。
  2. 肉眼による目視の範囲内でドローンとその周辺を常時監視しながら飛行させること
  3. 第三者、建物、自動車等との間に30m以上の距離を保って飛行させること
  4. 祭礼、縁日など多数の人が集まる場所の上空で飛行させないこと
  5. 爆発物など危険物を輸送しないこと
  6. ドローンから物を投下しないこと

もし、この規制を逸脱してドローンを飛行させようとする場合は、事前に地方航空局長の承認を得ることが必要となります。

ドローン関連の航空法の今後

上記は現行の航空法についての記載でしたが、2020年6月に航空法が改正され、総重量が200g以上のドローンについて、所有者登録が義務付けられることになりました。具体的には、氏名や住所、機種などを国土交通省に申請を行い、個別の登録記号の通知を受けます。通知を受けた登録番号は、ドローンの機体にシールなどで表示する必要があり、2022年頭からこの制度が開始される予定です。今回は航空法について記載を致しましたが、ドローンは航空法の他にも、小型無人機等飛行禁止法などの法律でも飛行の規制がなされています。そして、小型無人機等飛行禁止法では、バッテリーを含めた機体の総重量が200g未満のドローンにも適用されています。こういった航空法以外の法律も、ドローンを飛行させる場合は押さえておく必要があります。